e-tax で確定申告

e-tax というものをやってみた。結論から言うとかなりややこしい。


まずは、「電子証明書」。
これがないとネット経由では税務署からは本人として認めてもらえない。


電子証明書はいくつか選択肢があるようであるが、
一般個人であれば、「公的個人認証サービス」というものに、
落ち着くであろう。


さて、「公的個人認証サービス」なるものを利用しようとすると、
一昔前に話題になった「住民基本台帳カード(住基カード)」なるICカードを、
住民票のおいてある役所に発行してもらわなければならない。


私の地域の役所では、申し込みをして住基カード
新規発行してもらうまでに約1週間強の日数を要した。
よって、確定申告をネット上で行おうとする場合、
一週間以上前迄に役所に行っていなければ、もう間に合わない。


1週間ほどたって、役所から自宅に書類が送られてくるので、
その書類をもって役所に本人が出向き、やっと住基カードを発行してもらえる。
役所は平日の昼間しかやっていないので、
土日しか休みのない方は、この点も高いハードルとなる。


住基カードを発行してもらう際に、同時に
公的個人認証サービス」の電子鍵発行をお願いする。
これを忘れるとまた再び役所に出向かなければならないことになるので注意。
技術的には住基カードのICチップ内に秘密鍵を保存しておくみたいだった。


住基カード発行手数料 1,000円
公的個人認証サービス電子証明書発行手数料 500円


住基カードのパスワードと
公的個人認証サービス電子証明書のパスワード、
どちらもその場で設定しなければならないので、
覚えられない人もいるのではないかと・・・。


公的個人認証サービス電子証明書を発行してもらうと、CD-ROM を渡される。
この CD-ROM 内に公的個人認証サービスの公開鍵が入っている。


さて、やっと公的個人認証サービスの秘密鍵が入った住基カードを手に入れた訳だが、
これだけでは、まだ e-tax は利用できない。
そう、自分のパソコンと住基カード内の秘密鍵とでデータのやり取りをする為の
ICカードリーダーライターという周辺機器が必要なのである。


結構大きな家電量販店に行ってみたが、
ICカードリーダーライターは取り扱っていなかったようなので、
この点も盲点である。


ICカードリーダーライター 2,816円


やっとパソコンの前に座っての作業である。
まずは ICカードリーダーライター のドライバーのインストール作業。
付属の CD-ROM からインストールするが、CD-ROM 内のマニュアルには
「役所から渡される CD-ROM 内のドライバは絶対にインストールするな」と
書いてある。読み落とす人もいると思われ・・・。


そして、次は JAVA 環境の構築。
パソコンやインターネットに慣れていない人は、
ここらあたりから挫折してくるかもしれない。
とにかく最新の JAVA 環境をインストールしさえすればよい。


公的個人認証サービスの電子証明書を CD-ROM からインストール。


財務省とあともう一つどこかの電子証明書をネット経由でインストール。
(これって問題ないのかな?)


最寄りの税務署を指定して「電子申告しますよ」的な申請をネット経由で行う。
すると、ユーザID的な 16桁の番号が発行される。
忘れてはいけないので、これは紙にプリントアウト。


ここまできて、やっと、収入額とか、控除額とか、
ピコピコと入力して、送信ファイルを作成。
送信ファイルは「保存」しておかないと、
後で送ることができないので、かならず保存するように。


送信ファイルの中身はなんてことない、タダの XML テキストファイル。
この XML ファイルを作る為にどんだけ税金かけたんだろうな?って思うと(以下略)。


ファイルのコピーとか削除とかあまりしたことがなくて、
ディレクトリとかの事がよく分かっていない人だと、
この送信ファイルをドコに保存したのか、分からなくなって、
後に困る人多数いるのではないか?と思ったりもした。


ファイルが出来上がると e-tax 経由でファイルの送信。
住基カードICカードリーダライターにセットして、
16桁の番号を入力して
住基カードに保存して公的個人認証サービス電子証明書のパスワードを入力して
「参照」ボタンをクリックして送信ファイルを選択して、
やっと「送信」。


これで一通り、終わったみたい。
でも人によっては必要書類がある場合は、税務署まで持ってきてねって書いてあったりする。


平成19年度分と平成20年度分は、源泉徴収だけの人でも、
e-tax から確定申告すると1年分だけ所得税の税金が 5,000 円安くなります。

    1,000 円  住基カード
 +    500 円  公的個人認証サービス電子証明書
 +  2,816 円  ICカードリーダライター
 -  5,000 円  電子申告控除
 = -1,784 円

よって所得税が 1,784 円 安くなりました。


やってみて分かったけど、どう考えても、
パソコンに不慣れなお年寄りや親世代には、難しい。


セキュリティーを重要視したために、
あまりにも利便性が損なわれすぎているような、
そんな印象を受けた e-tax でした。